売る前に、買う前に、知っておきたいこと。

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【2026年10月最新】千葉県で不動産の売却をお考えの方へ

市況2026年10月|8分で読める

ここ半年ほど、こういうご連絡が増えました。 「まだ売るつもりはないんですが、今の相場だけ知りたくて」 まったく正しい関心の持ち方だと思います。売る・売らないを決める前に、現在地を知っておく。それだけで判断の質が変わります。 そこで、2026年秋時点の千葉市の数字を整理しました。結論を先に申し上げると、売り手にとって追い風が吹いている指標が複数あります。ただし、追い風の裏側に必ずあるものも、同じ分量で書きます。そうでないと、お読みいただく意味がないと思うからです。

千葉市の中古マンション ── 成約単価は13か月で最高水準に

レインズ マーケットウォッチ(2025年9月〜2026年9月)から、千葉市の中古マンションの成約㎡単価を並べます。

  • 2025年9月 36.97万円/㎡(前年比 −2.9%)
  • 2026年3月 38.55万円/㎡(前年比 +15.4%)
  • 2026年6月 41.26万円/㎡(前年比 +29.4%)
  • 2026年9月 41.09万円/㎡(前年比 +11.1%)

2026年の春から夏にかけて急に伸び、この13か月で最も高い水準にあります。 在庫(売り出し中の件数)は、2025年9月の1,182件から2026年9月の1,132件へ、横ばいから微減です。件数が極端に増えていないため、売り出した物件が競合に埋もれにくい状態といえます。新規登録の㎡単価も2026年7月に42.83万円/㎡まで上がり、売り手側の期待値も高まっています。

千葉市の中古戸建 ── 2026年に入って反転

  • 2025年9月 2,086万円(前年比 −34.4%)
  • 2025年12月 2,733万円(前年比 −15.3%)
  • 2026年1月 2,740万円(前年比 +1.0%)
  • 2026年4月 3,368万円(前年比 +23.2%)
  • 2026年9月 2,745万円(前年比 +31.6%)

2025年秋の落ち込みから、2026年1月を境に前年比がプラスに転じました。在庫は2025年後半から減少が続いており、流通量が絞られた状態です。 ひとつ補足しておきます。戸建は一棟ごとの個性がマンションより強く、月ごとの平均価格は売れた物件の内容に左右されます。上の数字は傾向として見ていただき、ご自宅の価格はご自宅の条件で見るのが正確です。

外の環境 ── 建築費と地価は、中古の価値を押し上げる方向に

売り手にとって追い風になっている材料が、市場の外側にあります。 ひとつは建築費です。木造住宅の建築費指数は上昇が続き、職人の賃金も上がり続けています。「いま同じ家を新しく建てたらいくらかかるか」が上がれば、すでに建っている家の相対的な価値は上がります。 首都圏の新築分譲マンションは、2026年上半期の平均価格が1億135万円となり、上半期として初めて1億円を超えました(不動産経済研究所)。千葉県も前年を上回っています。新築に手が届きにくくなるほど、需要は中古に流れます。 もうひとつは地価です。2026年の地価公示(2026年1月1日時点)では、千葉県の住宅地が前年比+4.6%。全国平均の+2.1%を大きく上回り、都道府県別でも東京都、沖縄県に次ぐ3番目の上昇率でした。土地を含む不動産の売却価格には、一般にプラスに働きます。

金利 ── ここは追い風とは言いきれません

売却の記事では、金利上昇が「早く売るべき理由」として書かれがちです。ただ、実際にはもう少し複雑です。 2026年10月のフラット35(返済21〜35年・融資率9割以下)は年3.83%。7月の3.14%から3か月で0.69ポイント上がり、現行制度(2017年10月以降)で最も高い水準になりました。10年固定は主要行で4%台、変動も平均1.3%台です。 金利が上がると、買い手が同じ月々の返済額で借りられる金額は下がります。 借入3,000万円・35年・元利均等で試算すると 金利1.0% 月々 約84,700円 金利3.83% 月々 約129,800円 同じ月々の支払いで考えれば、借りられる額はそれだけ小さくなります つまり金利上昇は、売り手にとって「買える人が減っていく」方向にも働きます。この先さらに上がれば、価格の調整圧力になり得る。ここは正直に書いておきます。 逆に言えば、いまはまだ買い手が動ける水準にある、ということでもあります。どちらに読むかは、ご自身の事情次第です。

売るときに出ていくお金 ── ここを先にお伝えします

価格が上がっていると聞くと、売却益がそのまま手元に残るように感じます。実際は、そうではありません。先に差し引かれるものを並べます。

  • 仲介手数料 売買価格の3%+6万円+消費税が上限です
  • 譲渡所得税 売却益が出た場合にかかります。所有期間が5年を超えていれば約20.315%、5年以下だと約39.63%。保有年数で倍近く変わります
  • 居住用財産の3,000万円特別控除 ご自宅の売却であれば、要件を満たすと譲渡益から3,000万円を控除できます。多くの方はこれで課税が生じませんが、適用には条件があります
  • 登記や整備にかかる費用 抵当権の抹消、境界確定が必要な場合の測量、解体や残置物の処分
  • 引越しと仮住まい 住み替えの場合、売却と購入のタイミング次第で二重の費用が出ます

そしていちばん見落とされやすいのが、これです。 高く売れる相場は、次に買う家も高い相場です。 住み替えを前提に売る場合、売却価格の上昇分は購入価格の上昇分と相殺されます。「高く売れたのに、次の家でそれ以上使った」という話は実際によくあります。売却単体ではなく、売って買うまでの合計で見ないと、判断を誤ります。 この点だけは、査定の前にお伝えするようにしています。

築年数が買い手のローンに効くところ

ご自宅の築年数によっては、買い手側の条件が変わります。売る側にも関係するので、触れておきます。 中古住宅で住宅ローン控除を使うには、1982年1月1日以降に建築された住宅であること(または耐震基準適合が確認できること)が要件になります。これより古いご自宅の場合、買い手が控除を使えるかどうかは事前の確認が必要です。 また2026年入居分から、既存住宅についても省エネ性能によって借入限度額や控除期間の扱いが変わりました。省エネ性能が高い住宅ほど、買い手にとっての実質負担が軽くなります。 この制度は毎年のように改正されます。ご自宅がどの区分に当たるかは、築年と仕様を見ないと判断できません。一般論ではなく個別に確認が必要なところです。

千葉市の需要は、どう見られているか

価格の話とは別に、「この街が選ばれ続けるか」も資産価値に関わります。 SUUMOリサーチセンターの「住み続けたい街ランキング2026 首都圏版」は、いまそこに住んでいる人が回答する調査です。千葉市美浜区が千葉県内2位(首都圏全体28位)、稲毛区が県内5位、緑区が9位。「子育てしやすい街(駅)」の千葉県1位は、美浜区の海浜幕張でした。「教育環境が充実している」「住宅街が整然として美しい」といった項目が高く評価されています。 住んでいる人が住み続けたいと思う街は、売り物が出にくく、出たときに買い手が付きやすい傾向があります。価格を保証するものではありませんが、需要の底堅さを見る材料のひとつにはなります。

査定額は、売れる値段ではありません

最後に、私たちが査定についてどう考えているかを書いておきます。 査定額を高く出すのは簡単です。根拠のない数字を一枚の紙に載せるだけですから。 けれど高く出した査定額で売り出せば、反響が鈍り、何か月も売れず、結局値下げして、最初から適正価格で出した場合より安く決まることがあります。売り出し価格が上がっている市場ほど、この失敗は起きやすい。 私たちは、直近の成約事例を根拠としてお見せしたうえで、「この価格なら何か月くらいで決まりそうか」まで含めてご説明します。高い数字を言って契約をいただくことには、意味がないと思っています。

こんな状態の方は、一度ご相談ください

□ 今の相場で自宅がいくらになるか、数字だけ知っておきたい □ 売る・貸す・持ち続けるの判断材料がほしい □ 住み替えを考えているが、売りと買いの順番がわからない □ 相続、離婚、転勤などで、期限のある売却を検討している □ 空き家になっている実家をどうするか決めかねている 査定は売却の義務ではありません。数字をお伝えして、そのまま終わっていただいて構いません。 結論が「いまは売らない」になっても、それは根拠のある判断です。 私たちは「今が売り時です」とは申し上げません。追い風が吹いている指標があるのは事実ですが、それがご家族にとって売るべき理由になるかどうかは、お話をうかがわないと分からないからです。

【出典・ご注意】 本コラムの市場データは、公益財団法人東日本不動産流通機構「レインズ マーケットウォッチ」(2025年9月〜2026年9月、千葉市)、国土交通省「令和8年地価公示」(2026年1月1日時点)、株式会社不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2026年上半期」、住宅金融支援機構【フラット35】借入金利(2026年10月)、各金融機関が公表する住宅ローン金利、株式会社リクルート「SUUMO住み続けたい街ランキング2026 首都圏版」に基づいています。 返済額の試算は元利均等返済による単純計算であり、将来の価格・金利を予測または保証するものではありません。実際の売却価格は、物件の状態・立地・時期・交渉の経緯により異なります。譲渡所得税および住宅ローン控除をはじめとする税制は改正される場合があり、適用の可否は個別の事情によって変わります。税務の取扱いについては、必ず税務署または税理士にご確認ください。

頼富 拓哉

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