売る前に、買う前に、知っておきたいこと。

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【2026年10月最新】千葉市で住まいの購入をお考えの方へ

市況2026年10月|8分で読める

ご相談でいちばん多く聞く言葉が、ふたつあります。 「もう少し金利が落ち着いたら動こうと思って」 「もう少し値段が下がったら考えようかと」 どちらも、まったくおかしな判断ではありません。急いで決めて後悔するより、ずっといい。 ただ、この一年の千葉市のデータを並べると、「待てば下がる」という前提がいま成り立っているかどうかは、一度確かめたほうがよさそうです。 先に申し上げておくと、このコラムの結論は「今すぐ買いましょう」ではありません。待つことにコストがあるのと同じように、いま買うことにもリスクがあります。両方を並べたうえで判断していただくのが、いちばん良いと思っています。

千葉市の成約価格は、この一年どう動いたか

レインズ マーケットウォッチ(2025年9月〜2026年9月)から、千葉市の数字を整理します。まず中古マンションです。

時期 成約価格 前年同月比 成約㎡単価 2026年3月 2,837万円 +23.5% 38.55万円 2026年4月 2,685万円 +16.8% 37.97万円 2026年6月 2,987万円 +29.1% 41.26万円 2026年9月 3,011万円 +14.2% 41.09万円

出典:レインズ マーケットウォッチ(千葉市・中古マンション)より作成

この13か月を通して見ると、成約㎡単価は36万円台から41万円台へ上がっています。前年比で2桁のプラスが続いた期間がありました。 売り手側の価格も動いています。いま市場に出ている物件の価格(在庫価格)、新しく売りに出てくる物件の価格、どちらもこの1年で上がりました。

つまり、これから出てくる物件も、すでに上がった価格が出発点になっています。 中古戸建も見ておきます。 時期 成約価格 前年同月比 2025年9月 2,086万円 −34.4% 2026年1月 2,740万円 +1.0% 2026年4月 3,368万円 +23.2% 2026年9月 2,745万円 +31.6%

出典:同上(千葉市・中古戸建)より作成。戸建は一棟ごとの個性が大きく、月によって数字の振れがあります

2025年秋に調整があった後、2026年春から成約価格は上昇しています。売り手がつけている在庫価格も、2026年9月で3,612万円(前年比+5.8%)と、一貫して前年を上回る水準です。

金利は、はっきり上がりました

価格以上に方向がはっきりしているのが、金利です。

フラット35(返済21〜35年・融資率9割以下)は、7月3.14%、8月3.29%、9月3.46%、そして10月に3.83%。3か月で0.69ポイント上がり、現行制度(2017年10月以降)のなかで最も高い水準になりました。 10年固定は主要行で年4%台に乗っています。変動金利も、主要行の平均では1.3%台。「変動は1%前後」という感覚は、すでに少し古くなっています。長期金利は2026年9月末に3%台をつけました。 変動で借りる場合、将来の上昇がどれくらい効くか。 これは「だから急いでください」という話ではありません。変動で借りるなら、この幅を吸収できる返済計画かどうかを先に確かめておく、という話です。 なお変動金利には、返済額の見直しは5年ごと・上げ幅は1.25倍まで、というルールを設けている商品が多くあります。月々の支払いが急に跳ねない仕組みであって、利息が免除されるわけではありません。上昇が続けば、支払いきれなかった利息は後ろに回ります。安心材料として説明されることがありますが、正確には支払いの先送りです。

待つことのコストを、数字にしてみる

仮に1年、賃貸に住みながら様子を見るとします。 千葉市内の3LDKを月15万円で借りると、1年で180万円。これは資産としては残りません。一方、中古マンションの在庫価格はこの1年で約8%上がりました。2,500万円で検討していた物件が同じだけ上がれば2,700万円で、差額は200万円。金利の方向は上です。 足すと、1年で数百万円の差になる可能性がある、という計算になります。ただしこの試算には「来年も今年と同じだけ上がる」という前提が置かれています。それは確実なことではありません。

いま買うリスクも、同じように書いておきます

待つ側のコストだけを並べる市況記事が多いので、反対側も出しておきます。 【いま動く場合に負うもの】 高値で掴む可能性:上がり続けた市場はどこかで止まります。その時期は誰にも分かりません 金利上昇の影響:上の試算は、変動で目一杯借りた場合の負担増としても同じように働きます 購入時の費用:仲介手数料・登記・事務手数料・保険・税で、物件価格の6〜9%程度が購入時に出ていきます 売るときの費用: 数年内の住み替えがあり得るなら、売却時の費用も先に計算に入れる必要があります 買った後の固定費:固定資産税、管理費・修繕積立金、修繕費。返済額だけで賃貸と比べると実態を見誤ります

待つことに費用があるのと同じように、動くことにも費用があります。 どちらが大きいかは、ご家族の状況でまったく変わります。

制度の話 ── ここは誤解が多いところです

住宅ローン控除について、ご相談でよく出る誤解を整理します。 まず、所得の制限は「年収1,000万円」ではありません。住宅ローン控除の所得要件は、原則として合計所得金額2,000万円以下です。年収ではなく合計所得で見ます。給与収入だけの方なら、年収2,100万円台あたりが目安になります。 1,000万円という数字が出てくるのは、床面積40㎡以上50㎡未満の住宅に適用する特例の条件としてです。コンパクトな住戸を検討している方には効いてきますが、50㎡以上の物件を見ている方には関係しません。ここを混同したまま「自分は対象外だ」と諦めてしまう方が、実際にいらっしゃいます。 省エネ性能で差がつくのは本当です。新築については、省エネ基準に適合していないと控除が受けられないケースがあります。適合している場合の借入限度額は住宅の性能区分によって変わり、子育て世帯等への上乗せもあります。中古住宅についても2026年入居分から扱いが変わりました。 ただしこの制度は毎年のように改正されます。ご検討の物件が、入居予定の年の基準でどの区分に当たるのか——ここは一般論ではなく、物件ごとの確認が必要です。数十万円から百万円単位で変わるところですので、資料の数字を鵜呑みにせず、必ず最新の要件でご確認ください。

千葉市の住環境は、住民からどう見られているか

価格と金利だけが判断材料ではありません。 SUUMOリサーチセンターの「住み続けたい街ランキング2026 首都圏版」は、いまそこに住んでいる人が回答する調査です。千葉市美浜区が千葉県内2位(首都圏全体28位)、稲毛区が県内5位、緑区が9位に入りました。「子育てしやすい街(駅)」の千葉県1位は、美浜区の海浜幕張です。「教育環境が充実している」「住宅街が整然として美しい」といった項目が高く評価されています。 住んでいる人が住み続けたいと思う街は、売り物が出にくく、中長期の需要が読みやすい傾向があります。価格の保証ではありませんが、資産としての見通しを考えるうえでは無視できない材料です。

「今動くべきか」に、一般論の答えはありません

ここまでの数字を、もう一度ひとことずつ。

  • 千葉市の中古マンション成約㎡単価は、この一年で36万円台から41万円台へ上がった
  • 売り手がつける在庫価格・新規登録価格も、前年比で8〜10%上昇している
  • フラット35は3か月で0.69ポイント上昇し、現行制度下で最高水準
  • 変動金利の平均も1.3%台まで来ている
  • 待つことにも、買うことにも、それぞれ数百万円単位のコストとリスクがある

この5つを並べたうえで、どちらが合理的かは、ご家族の収入の安定性、住み替えの可能性、手元資金、お子さんの学区の事情——そうしたものによって逆転します。 私たちは「今が買い時です」とは申し上げません。同時に「もう少し待ちましょう」とも申し上げません。どちらも、お客様の事情を知らずに言える言葉ではないからです。 まず、現在地の確認から 購入をまだ決めていない段階でも、整理しておくと判断が楽になるものがあります。

  • いまの年収と手元資金で、無理なく返せる借入額はいくらか(借りられる額ではなく、返せる額です)
  • 検討エリアの直近の成約事例が、いくらで決まっているか
  • 住宅ローン控除が、ご自身の場合いくらになるか
  • 変動で借りた場合、金利が何%まで上がっても生活が回るか

この4つが分かれば、「待つ」も「動く」も、根拠のある判断になります。逆に、これが分からないまま相場のニュースだけを見ていると、いつまでも決められません。 ご相談は情報整理からで構いません。結論が「今は買わない」になっても、それは正しい結論のひとつです。

【出典・ご注意】 本コラムの市場データは、公益財団法人東日本不動産流通機構「レインズ マーケットウォッチ」(2025年9月〜2026年9月、千葉市)、住宅金融支援機構【フラット35】借入金利(2026年10月)、各金融機関が公表する住宅ローン金利、株式会社リクルート「SUUMO住み続けたい街ランキング2026 首都圏版」に基づいています。 返済額の試算は元利均等返済による単純計算であり、将来の価格・金利を予測または保証するものではありません。住宅ローン控除をはじめとする税制は改正される場合があります。個別の適用可否については、最新の公表資料および税務署・税理士等の専門家にご確認ください。

※本文中の表・グラフは、上記の公表数値をもとに恒誠堂ハウジング千葉が作成したものです。

頼富 拓哉

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