千葉の街は、住んでいる人からどう評価されているか
住まいのランキングは毎年いくつも出ますが、その多くは「住みたい街」——つまり、そこに住んでいない人が答えたものです。憧れや知名度が、そのまま順位になります。 先日発表された「SUUMO住み続けたい街ランキング2026 首都圏版」は、少し性格が違います。答えているのは、いまその街に住んでいる人です。設問は「お住まいの街に今後も住み続けたいですか」。首都圏の25万人以上が回答しています。 千葉の街を扱う私たちにとって、こちらのほうがずっと参考になります。住み替えのご相談で、いちばん多く聞かれることに近いからです。「この街、住んでみてどうなんでしょうか」。
何を測った調査なのか
1次調査で約25万1千人に継続居住意向を、2次調査で約4万9千人に街の魅力を聞いています。調査時期は2026年1月から2月。回答が30人以上集まった駅・自治体だけが対象です。 項目 内容 調査対象 首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城)在住の20歳以上の男女 調査時期 1次:2026年1月22日〜2月5日/2次:2026年2月13日〜2月27日 有効回答数 1次 251,356人/2次 48,961人 設問 「お住まいの街に今後も住み続けたいですか」を11段階で評価 集計方法 11段階を0〜100点に換算し、回答30人以上の駅・自治体で平均を算出
出典:リクルート「SUUMO住み続けたい街ランキング2026 首都圏版」より作成
継続居住意向は11段階で聞き、0〜100点に換算して平均を出しています。順位そのものより、この「住んでいる人の平均点」という性質を頭に置いて読むほうが、実際の街選びには役立ちます。
千葉県の駅、上位はこうなりました
千葉県で1位は新浦安、2位が海浜幕張、3位が東海神(船橋市)でした。以下、浦安、舞浜、新船橋と続きます。湾岸の計画都市が並ぶのは、前回調査と同じ傾向です。
千葉県 住み続けたい街(駅)上位10駅の平均評価点。濃い色は千葉市内の駅。出典:同調査より作成 目を引いたのは7位の西千葉です。前回33位から大きく上げました。9位の西登戸、10位の鎌取(緑区)も入っています。派手な再開発があった街ではありません。 順位 駅名(代表的な沿線) 所在 平均評価点 前回順位 1位 新浦安(京葉線) 浦安市 82.31 1位 2位 海浜幕張(京葉線) 千葉市美浜区 81.66 9位 3位 東海神(東葉高速線) 船橋市 81.48 7位 4位 浦安(東京メトロ東西線) 浦安市 79.59 6位 5位 舞浜(京葉線) 浦安市 79.34 3位 6位 新船橋(東武野田線) 船橋市 79.18 8位 7位 西千葉(総武線) 千葉市中央区 78.80 33位 8位 新津田沼(京成松戸線) 習志野市 78.74 5位 9位 西登戸(京成千葉線) 千葉市中央区 78.55 12位 10位 鎌取(外房線) 千葉市緑区 78.25 19位
出典:同調査(千葉県 住み続けたい街(駅)ランキング)より作成
自治体では浦安市が県内1位(首都圏全体でも6位)、千葉市美浜区が2位でした。千葉市内では稲毛区、緑区、中央区も上位150自治体に入っています。習志野市、佐倉市も同様です。
千葉県 住み続けたい街(自治体)上位10市区。濃い色は千葉市内。出典:同調査より作成 同時に発表された「子育てしやすい街」の千葉県1位は海浜幕張、「美味しい街」の千葉県1位も海浜幕張。3位に千葉中央が入りました。 子育てしやすい街(千葉県) 美味しい街(千葉県) 1位 海浜幕張(千葉市美浜区) 海浜幕張(千葉市美浜区) 2位 新浦安(浦安市) 菅野(市川市) 3位 流山おおたかの森(流山市) 千葉中央(千葉市中央区) 4位 印西牧の原(印西市) 新船橋(船橋市) 5位 浦安(浦安市) 大神宮下(船橋市) いずれも駅ランキング。街の魅力項目の偏差値を合計してスコア化したもの。出典:同調査より作成
上位の街に、共通していたもの
順位そのものより、私たちが気になったのは評価の中身です。 首都圏全体の1位は、神奈川県藤沢市の鵠沼でした。東京都心の駅を抑えての初の1位です。ではその街が何を評価されたかというと、交通の便でも、商業施設の多さでもありません。上位に並んだのは「この街には自分のお気に入りの場所や風景がある」「街の住民がその街のことを好きそう」「この街らしさに愛着を持てる」といった項目でした。
それぞれの街で高く評価された「街の魅力」上位5項目(偏差値、50が平均)。出典:同調査より作成 千葉県内の上位の街も、傾向は似ています。海浜幕張では、住民の行動として「街のプロスポーツの観戦や応援活動」が突出して高く出ています。子育て世帯の流入が続き、地域のイベントやサークル活動が回っている。そういう街が、結果として点を集めています。 買い物の便利さや駅までの分数は、物件資料に必ず書いてあります。けれど住んでいる人が「住み続けたい」と答える理由は、資料に書けない部分に寄っていました。
家賃が手頃で、評価も高い街
同じ調査に「家賃が手頃×住み続けたい街」という切り口があります。千葉県はファミリー向けの家賃相場が12万円以下の駅に絞ったランキングで、1位が舞浜、2位が西千葉、3位が鎌取でした。ユーカリが丘、京成稲毛、京成幕張なども入っています。 順位 駅名(代表的な沿線) 所在 平均評価点 家賃水準 1位 舞浜(京葉線) 浦安市 79.34 10.8万円 2位 西千葉(総武線) 千葉市中央区 78.80 12.0万円 3位 鎌取(外房線) 千葉市緑区 78.25 9.8万円 4位 鬼越(京成本線) 市川市 78.04 11.4万円 5位 みどり台(京成千葉線) 千葉市稲毛区 77.83 10.9万円 6位 初石(東武野田線) 流山市 77.48 10.5万円 7位 ユーカリが丘(京成本線) 佐倉市 77.39 7.7万円 8位 京成稲毛(京成千葉線) 千葉市稲毛区 77.15 10.6万円 9位 船橋競馬場(京成本線) 船橋市 77.03 10.9万円 10位 京成幕張(京成千葉線) 千葉市花見川区 76.59 11.6万円 家賃水準は、駅徒歩15分圏内のファミリー向け賃貸(40〜80㎡・築35年以内)の月額賃料の中央値。SUUMO掲載物件(2025年10月〜2026年3月)より算出。出典:同調査より作成 賃貸の相場ですので購入価格とは別の話です。ただ、住民の評価が高い街のなかで、住居費の水準が抑えめな場所がどのあたりか——その当たりをつける材料にはなります。
この数字を、そのまま鵜呑みにしないでください
正確にお伝えしておきたいことがあります。
- これは平均評価点であって、価格ではありません。住み続けたい人が多い街の不動産が必ず高く売れる、という話ではないのです。順位と成約価格は別の指標です。
- 回答者数は駅によって差があります。数十人の回答でついた順位と、千人規模の回答でついた順位では、数字の安定感が違います。上下の変動も、街が変わったのではなく回答者の顔ぶれが変わっただけ、ということがあります。
- 上位に入っていない街が住みにくい、という意味ではありません。そもそも回答が30人に届かず対象外になった自治体もあります。載っていないことに理由がない場合があります。
- 調査は2026年1〜2月時点のものです。
順位表は、街を決めるための答えではなく、見に行く街を絞るための入口だと考えています。
ご購入前の方へ ── 内見の日に、あと15分
もし気になる街ができたら、内見の際に15分だけ余分に歩いてみましょう。
- 町内会の掲示板に、今月の予定が貼ってあるか
- 公園に、子どもと大人がいるか
- 商店街のシャッターの割合
- ゴミ集積所の管理のされ方
この調査が拾っていたのは、結局こういうものです。そして数字より、ご自身の目で見たほうが早い。
ご売却をお考えの方へ
住民の評価が高いエリアは、売り物が出にくい傾向があります。住み続ける人が多いのですから、当然です。供給が少ない状態で売り出せるのは、売主にとって不利ではありません。 ただし、それは「高く売れる」の保証ではありません。価格は、その街の直近の成約事例と、お住まいの状態で決まります。査定額の根拠は、ランキングではなく取引の記録からご説明します。 千葉県内であれば、売り出す時期が決まっていなくても、建物の状態を確認する無料の建物診断をご用意しています。「いまは売らない」という結論も、選択肢に含めてご相談ください。
出典:株式会社リクルート「SUUMO住み続けたい街ランキング2026 首都圏版」(2026年9月1日発表)
調査期間:1次調査 2026年1月22日〜2月5日/2次調査 2026年2月13日〜2月27日 有効回答数:1次 251,356人/2次 48,961人
※本文中の表・グラフは、同調査の公表数値をもとに恒誠堂ハウジング千葉が作成したものです。
頼富 拓哉