【2026年9月最新】千葉県で不動産の売却をお考えの方へ
「いつか売ろうと思っている」「そもそも今売るべきなのかどうか分からない」 売却のご相談をいただく際、こうしたお声をよく耳にします。不動産は人生で何度も売買するものではありませんから、判断に迷うのは当然のことです。 このコラムでは、千葉県の不動産市場で今どんなことが起きているのかを、公表されているデータをもとに整理しました。売却をお勧めするための文章ではありません。ご判断の材料としてお読みいただければと思います。
千葉県の市場は「在庫が減り、価格が上がる」局面にあります
まず、直近の数字をご覧ください。
指標 数値 前年同月比 中古マンション 在庫数 3,899件 ▲10.5% 中古マンション 成約㎡単価 41.68万円/㎡ +5.1% 中古マンション 新規登録価格 2,972万円 +4.8% 中古戸建 成約価格 2,613万円 +2.2% 新築戸建 成約価格 4,024万円 +4.8% 千葉県 公示地価(2026年) +4.6% 5年連続上昇
出典:東日本不動産流通機構「月例速報Market Watch 2026年8月度」、国土交通省2026年地価公示
注目していただきたいのは、在庫が減っているのに価格が上がっているという組み合わせです。千葉県の中古マンションの在庫は前年割れが1年以上続いています。
売りに出ている物件が少ない状況では、購入を検討している方の選択肢も限られます。その中にご自宅が並べば、以前より目に留まりやすい環境である、という見方ができます。
地価についても、千葉県は5年連続の上昇です。建物は年々古くなりますが、土地の評価は市場環境に左右されます。建物の経年と土地の評価が逆方向に動いている時期という見方もできます。
市場を動かしている3つの変化
1. 住宅ローン金利の上昇
2026年9月時点で、フラット35(全期間固定)の最多金利は3.460%。前月から+0.17%上昇しました。
金利は、売主であるお客様にとっては一見関係のない話に思えるかもしれません。しかし実際には、買主の予算を左右する要素です。
たとえば3,000万円を借り入れる場合、金利が0.5%変わると毎月の返済額は8,000円前後、総返済額では300万円以上の差が生じます(あくまで一般的な試算例です)。毎月の返済額の上限が決まっているご家庭では、その分、購入できる物件価格の上限が下がることになります。
2. 新築の建築費が上がり続けている
2026年4月時点の木造住宅建築費指数は149.3(2015年=100)、前年同月比+5.9%。つまり、10年前と比べて新築を建てるコストは約1.5倍になっています。
千葉県内でも、流山市やつくばエクスプレス沿線では新築戸建が5,000〜7,000万円台という水準になってきました。前掲のデータでも、県内の新築戸建の成約価格は平均4,024万円と前年比+4.8%です。
新築が手の届きにくい価格になるにつれ、中古物件は「安いから選ぶもの」ではなく「現実的な選択肢」として検討されるようになっています。
3. 新築マンションの「狭小化」
首都圏の新築分譲マンションは価格が上がる一方で、専有面積は縮小傾向にあります。2000年代には100㎡を超える住戸も珍しくありませんでしたが、現在の平均は68㎡前後です。
千葉県内で以前に分譲された物件には、今の新築では得られない広さを持つものが少なくありません。ある程度の広さがあり、価格が現実的な中古物件は、ファミリー層にとって代わりの少ない選択肢になっています。
なお、住宅ローン控除については省エネ基準への適合が要件となっており、今後さらに要件が厳しくなることが見込まれています。買主の資金計画に影響する部分ですので、詳細は国税庁の最新の公表情報をご確認ください。
千葉県内のエリア別の状況
引き合いの多い県西部・県北西部
船橋市・市川市・松戸市・柏市は、購入検討者からのお問い合わせが特に多いエリアです。都心への通勤圏でありながら、都内と比べれば価格に現実性があることが背景にあります。
なかでも市川市の新築戸建、船橋市の中古マンション、柏市の新築戸建は、掲載件数に対する反響の多さが目立ちます。
評価の高い湾岸エリア
「SUUMO住み続けたい街ランキング2026」では、千葉県1位が新浦安(82.31点)、2位が海浜幕張。住みたい街ランキングの千葉県TOP10にも、船橋市・習志野市・千葉市美浜区・稲毛区が名を連ねています。
実際に住んでいる方の満足度が高いエリアは、購入検討者が安心して選びやすい場所でもあります。
流山・TX沿線
流山市は住み続けたい街ランキング千葉県3位(74.57点)。流山おおたかの森は、子育てしやすい街として県内3位に入っています。
TX沿線では、築5〜10年の中港マンションが坪70万円以上で取引される事例も増えています。街の評価が上がっている時期は、その場所の物件そのものの評価も上がりやすい局面です。
東京では「貸す」より「売る」に動くオーナーが増えています
千葉県の少し先を行く市場として、東京23区の動きも参考になります。
23区では、分譲マンションを賃貸に出す割合が6年ぶりの低水準(34.7%)まで下がりました。背景にあるのは、売却価格と賃料の伸び方の違いです。
中古の売出希望価格が前年比+6.86%と伸びる一方、賃料の上昇率は+0.05%とほぼ横ばい。「貸して持ち続ける」より「売る」ほうが合理的だと判断するオーナーが増えている、ということです。
千葉県内でも、程度の差はあれ同じ構造が生まれつつあります。相続で引き継いだご実家をどうするか迷われている方、転勤で空けたご自宅を賃貸に出すか売るか検討中の方には、一度数字で比べていただきたい部分です。
「今動く理由」を整理すると
要因 現状 売主にとっての意味 千葉県の在庫 減少継続(前年比▲10.5%) 競合が少なく、目に留まりやすい 成約価格 前年比+2〜5%上昇中 昨年とは異なる価格前提で検討できる 住宅ローン金利 上昇基調(フラット35:3.46%) 買主の借入可能額に影響する 建築費 2015年比+49.3% 新築との価格差が縮まり、中古が選ばれやすい 住宅ローン控除 省エネ要件が厳格化の方向 買主の資金計画が変わる可能性がある 千葉県の地価 +4.6%・5年連続上昇 土地の評価は上向きで推移
出典:東日本不動産流通機構、国土交通省、住宅金融支援機構ほかの公表情報をもとに整理
ただし、「売る」ことが正解とは限りません
ここまで市場環境をご説明してきましたが、私たちは売却をお勧めする立場ではありません。
次のようなケースでは、「今は売らない」という判断が合理的です。
お住まいで、転居の予定がない 相続対策として保有し続けることに意味がある 賃貸による収益の確保を優先したい ご家族の間で方針が固まっていない
私たちがご提供できるのは、「売った場合にどうなるか」の事実と数字です。それをご覧いただいた上で判断されるのは、お客様ご自身です。
まずは「今いくらなのか」を知ることから
査定は、売却の約束ではありません。
ご自宅が今の市場でいくらの評価を受けるのかを知っておくことは、売る・売らないのどちらを選ぶ場合にも役に立つ情報です。住み替えを考えるとき、相続の話し合いをするとき、資産全体を見直すとき、判断の前提が数字で分かっているかどうかで話の進み方は変わります。
当社は千葉県の不動産市場のデータを継続的に収集・分析しています。ご物件のエリア・築年数・間取り・状態を踏まえ、今の市場で現実的な価格帯をご説明いたします。
お問い合わせをいただいた後に、すぐ売却をお迫りするようなことはいたしません。まずは「知ること」から始めていただければと思います。
無料相談フォーム、またはお電話にてお気軽にご連絡ください。
※本文中の数値は公表データに基づくものです(東日本不動産流通機構、国土交通省、住宅金融支援機構ほか)。過去のデータに基づく整理であり、将来の価格・金利・税制を断定するものではありません。個別物件の価格は立地・状態・市場動向等により大きく異なります。
頼富 拓哉