売る前に、買う前に、知っておきたいこと。

コラム

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大雨のあとの床下、そのままにしていませんか

売却5分で読める

このたびの大雨で被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。 片付けが一段落して、暮らしがいつもどおりに戻ったあとで、ふと気になってくるのが床下です。室内が無事でも、床下だけが濡れていることがあります。けれど床下は、住んでいる方からは確かめようがない。心配しすぎだろうか、と思いながら頭の隅に残り続ける——そういうご相談を、大雨のあとには必ずいただきます。

■ 売却をお考えの方へ ── いつかご売却をお考えなら今の状況を正しく知ることが大切です。

気になって当然の場所です

床下は、大雨のあとに家のなかでいちばん変化が起きている場所です。それでいて、いちばん見えない。気にするほどのことではないだろうと思い直しても、また気になる。その感覚のほうが正しいと、私たちは考えています。

何が起きているのかが分かれば、待っていていい場合と、早めに確かめたほうがいい場合の見分けがつきます。まずそこからお伝えします。

濡れた床下は、思っているより乾きません

床下浸水まで至らなくても、敷地に水が溜まれば地面から湿気が上がります。床下は日が当たらず、風も通りにくい場所です。換気口の前に物が置かれていたり、外の地面が上がって換気口が半分埋まっていたりすると、一度湿った床下は何ヶ月も湿ったままになります。

木は、濡れているあいだだけ弱いのではありません。含水率が高い状態が続くと、次の二つが同時に始まります。

ひとつめ ── シロアリ

千葉県で被害の多いヤマトシロアリは、地中から蟻道(ぎどう)という土のトンネルを作って上がってきます。狙うのは湿った木材です。乾いた床下より、濡れた床下のほうがはるかに取り付かれやすい。

やっかいなのは、音も匂いもしないことです。羽アリが出て気づいた頃には、土台や柱の下のほうが内側から空洞になっていることがあります。床がきしむ、沈む、といった症状が出る頃には、すでにかなり進んでいます。

ふたつめ ── 木材腐朽菌

湿った木材には、木を分解する菌も入ります。腐って柔らかくなった木は、シロアリにとってさらに好都合です。二つは別々に進むのではなく、互いを呼び合いながら進みます。

大雨から数週間は、まだ「濡れているだけ」の段階であることが多い。この時期に乾かす手当てができれば、被害まで行かずに済みます。逆に、この時期を過ぎてから気づく被害は、たいてい元が数年前の雨です。

売却をお考えの方へ ── 「保険を付けて売る」ができなくなることがあります

ここから先は、いますぐでなくても、いずれ売却をとお考えの方に、正確に知っておいていただきたい話です。

中古住宅の売買では、引渡し後に見つかった不具合を補償する「既存住宅売買瑕疵(かし)保険」を付けて売る方法があります。買主にとっては大きな安心材料で、同じ条件なら選ばれやすくなります。

ただし、この保険に入るには検査があります。検査で蟻害(シロアリの被害)や木部の腐朽が見つかると、そのままでは加入できません。補修して再検査すれば加入できますが、時間と費用がかかります。売り出しの直前に見つかると、日程を組み直すことになります。

昭和56年以前に建てられた建物では、この保険の証明書が、買主が住宅ローン控除などを使うための書類として用いられることがあります。保険が付けられなければ、その分は買主の負担として価格交渉に表れます。

※ 加入の可否は検査を行う機関の判断によります。税制の要件は改正されることがあります。実際のご売却の際は、その時点の条件で個別にご確認ください。

もうひとつ。売主には、知っている不具合を買主に伝える義務があります。知らないまま売り、引渡し後に被害が見つかった場合、補修費用を求められることがあります。

先に知っておいたほうが、選べる道が多い。売る前に分かっていれば、直してから売る・直さずに価格へ織り込んで売る・そのままで売る、を売主側で選べます。売ったあとに分かると、選ぶのは買主です。

無料建物診断のご案内

いずれご売却をとお考えの方に、建物の状態を確認する無料の建物診断をご用意しています。売り出す時期が決まっていなくても構いません。

対象エリア:千葉県内全域

見るところ

  • 床下の水の跡、濡れ、カビの発生
  • 蟻道の有無、土台・大引(おおびき)・床束の状態
  • 基礎のひび割れ、換気口のふさがり
  • 配管まわりの漏れの跡

写真をお見せしながら、その場で状態をご説明します。売り出しまでに手当てが要るものと、要らないものを分けてお伝えします。

床下にご自身で潜るのは、おやめください

床下には釘の先、配管、断熱材の繊維、カビの胞子があります。狭く、暗く、場所によっては空気も薄い。点検口を開けて懐中電灯で照らす、手を伸ばして写真を撮る。そこまでにしてください。

それだけでも分かることはあります。土の色が濃く残っている、白木の部分が黒ずんでいる、基礎の立ち上がりに土のスジが縦に走っている——最後のひとつが蟻道です。写真を撮っておけば、あとで比べられます。

こんな場合は、早めに

  • 敷地に水が溜まった、床下浸水の可能性がある
  • 雨のあと、床下や畳から湿ったにおいがする
  • 前回シロアリの薬剤処理をしてから5年以上経っている(薬剤の効果はおおむね5年です)
  • 数年以内に売却を考えている

床下は、放っておいて良くなる場所ではありません。乾くか、傷むか、どちらかです。いまの状態を写真で記録しておくだけでも、あとの判断が変わります。

頼富 拓哉

読んで気になったことがあれば、そのままお尋ねください。
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